試験対策

【予備校比較:公認会計士】公認会計士の魅力と試験対策(独学で受かる人もいる)

Mさんは外務省退職後、語学教師をやりながらさまざまな資格試験を取られていると聞いています。私も「手に職を持つ」という意味で公認会計士資格を目指していますが、この点知っていることあればアドバイスいただければ嬉しいです。

こんな質問を頂きました。

ちょうどタイムリーな質問で、私も公認会計士試験を地道に勉強中です。

以前、公認会計士の友達を通じていろんなことをアドバイスしてもらったので、その知見をこの記事に書き留めておきたいと思います。

本記事の内容

  • 公認会計士とは?仕事内容と魅力
  • 公認会計士試験とは?
  • おすすめの予備校

もくじ

公認会計士とは?

公認会計士の仕事

日本公認会計士協会のHPによれば、「公認会計士」とは以下のとおりです。

公認会計士は、開業登録をしたのちに監査・会計の専門家として、独立した立場において「監査証明」を主たる業務とし、「会計」「税務」「コンサルティング」の業務を行っている公認会計士もいます。

https://jicpa.or.jp/cpainfo/introduction/about/

要は、会計や監査、税務についてのプロフェッショナルとして国に認定されている職業が「公認会計士」です。

日本にはさまざまな企業が存在しますが、およそ「会計」がない企業というのは存在しません。

何か事業を行う場合、そこには必ず「お金」の動きが発生し、それらを整理しまとめる仕事を会計と言いますが、公認会計士は会計に関する最高峰の国家資格と言えます。

以下、公認会計士の代表的な仕事をいくつか紹介します。

財務諸表監査(公認会計士の独占業務)

財務諸表監査とは、企業が作成する貸借対照表などの財務諸表が、その企業の財政・経営状況を適正に表示しているか否かを独立した第三者(公認会計士が所属する監査法人等)が判断し意見を表明することです。

法に則って正しく監査が行われていることは、企業にとって最も大切な社会的信用の証左となります。そして、これは公認会計士だけが行うことができる独占業務です。

監査法人等に所属する公認会計士が監査を行うことで、企業を取り巻く利害関係者は信頼性の高い情報を得ることができ、投資や融資などの様々な取引を安心して行うことができます。

内部統制監査

内部統制監査とは、企業において、リスク管理や業務分掌、意思決定ルール等の経営目標を達成するために構築した内部統制システムを監査することです。

内部統制監査は、会計・財務のスペシャリストである公認会計士の重要な仕事の一つです。

コンサルティング

公認会計士は、会計・財務に関する専門知識に加え、企業経営に関する豊富な情報を活かして、経営全般にわたる助言や指導(コンサルティング)も行います。

特に最近のグローバル化に伴い、企業は利益を求めるのみならず、企業活動を通じて社会に寄与していく企業の形が求めらています。

その重要な要素の一つである「企業統治(コーポレート・ガバナンス)」の実現において、正しい会計・財務に関する高品質なコンサルティング・サービスを提供する公認会計士の存在は、今後ますます需要が増していくことでしょう。

公認会計士の魅力

三大国家資格の一つ

公認会計士は、医者や弁護士に並ぶ三大国家資格と呼ばれ、その社会的ステータスは絶大です。

三大国家資格がなぜ強いかというと、そこには強力な「独占業務」が含まれているからです。

つまり、医者であれば「医療行為」、弁護士であれば「訴訟代理行為」、そして公認会計士は独占業務として上記で述べた「財務監査」を行うことができます。

その人にしかできない独占行為があるからこそ、需要と高い専門性、それに見合った収入を得ることができるわけです。

グローバル化と比例する将来性

上記でも述べたとおり、企業がある限り、そこには会計という仕事が存在します。

企業が正しく健全に発展していくためには、正しい会計が必要なので、公認会計士の仕事は増えることは合っても減ることはありません。

加えて、国際財務報告基準(IFRS)の日本への導入が本格的に審議される中、企業のグローバル化に伴い公認会計士の専門性は今後さらに重宝されていくので、公認会計士は極めて将来性に優れた資格と言えます。

※国際財務報告基準(IFRS)の詳細は日本公認会計士協会HPをご覧ください。

「公認会計士の国際化が著しい」ということで、私の友達の会計士は、外国企業との仕事が増えたので英語をせっせと勉強していました。

税理士等資格の取得

公認会計士は、登録をすることにより「税理士」の資格を即取得することができ、税理士の独占業務である税務の代理や税務書類の作成等を行うことができます。

また、「行政書士」資格も取得することができ、独占業務として、官公署に提出する書類や事実証明・権利義務に関する書類の作成を代理することができます。

高額な年収

公認会計士の専門性から考えれば、高額な年収が期待されていることは言わずもがなだと思います。

働き方によっては、30代から年収は1000万円を超え、その後専門性の蓄積と勤続年数によってさらに高い収入を期待できます。

もちろん辛いこともある

これまで公認会計士の良い点のみを紹介しましたが、もちろんいいことばかりではありません。

現役の公認会計士の友達Yさんのコメントをご紹介します。

公認会計士Yさん
・とある監査法人勤め。在学時に一発合格
・収入は同年代と比べればかなりいいと思う(4ケタは超えた)
・ただ、残業&残業終電帰りは当たり前。監査法人勤めは中々辛い
・企業への転職も検討中
・英語の勉強も継続中

Yさんとは、私がまだ外交官補時代にイギリスとあるスクールで知り合いました。

グローバル化の波に伴い、外資系企業との仕事も増えているために英語を学ぼうと、自ら2週間の休みを取って短期留学に来たとのことでした。

Yさんとはずっと同じクラスでしたが、雑談になると「仕事が大変」「疲れる」「今は幸せ」とおっしゃっていたので、公認会計士という仕事はいい面ばかりではないのだな、と非常に印象に残っています。

まあ、世の中楽な仕事なんてないですからね。「若いうちは苦労しろ」なんてことを積極的に言いませんが、苦労した分だけ経験や知識が付くことは事実です。

公認会計士試験とは?

試験の特徴

  • 受験資格の制限なし。誰でも受験することができる

受験資格が厳格な医師国家試験や司法試験と比べて、誰でも好きな時に受けられるというのは大きな魅力です。

  • 短答式試験に合格すると、以後2年間は短答式試験が免除。次回は論文式試験から受けられる
  • 論文式試験が不合格の場合でも、一部科目合格制度により合格した論文科目は、以降2年間免除。

免除制度は、本気で合格を目指している人にとって大きな救済制度です。

初回試験日(短答式試験日)日程・内容

試験日(合格発表)第Ⅰ回:12月上旬(1月下旬)
第Ⅱ回:5月下旬(6月中旬)
受験願書配付期間第Ⅰ回:8月上旬~9月中旬
第Ⅱ回:1月中旬~2月下旬
試験形式マークシート方式による択一式試験
試験科目財務会計論・管理会計論・監査論・企業法

試験時間 (配点)
企業法:  09:30~10:30 (100点)
管理会計論:11:30~12:30 (100点)
監査論:  14:00~15:00 (100点)
財務会計論:16:00~18:00 (200点)
実施概要・4科目の総点数で合否判定
・合格基準は総点数の70%を基準
・40%に満たない科目がある場合には、即不合格となることあり
・短答式試験合格者は以後2年間申請により短答式試験が免除
公認会計士短答式試験

第二回試験日(論文式試験日)日程・内容

試験日(合格発表)8月中旬の3日間(11月中旬)
受験願書配付期間1月中旬~2月下旬
※短答式試験免除者は、第Ⅱ回短答式試験用の受験願書で要出願
試験形式科目別の筆記試験
試験科目必須科目:会計学(財務会計論・管理会計論)・監査論・企業法・租税法
選択科目:経営学・経済学・民法・統計学の中から1科目選択

試験時間 (配点)
<1日目>
監査論:10:30~12:30 (100点)
租税法:14:30~16:30 (100点)

<2日目>
会計学(午前)10:30~12:30 (100点)
会計学(午後)14:30~17:30 (200点)

<3日目>
企業法: 10:30~12:30 (100点)
選択科目:14:30~16:30 (100点)
実施概要・5科目で合否判定
・合格基準は52%の得点比率を基準
・1科目でも40%に満たない科目がある場合不合格になることあり
・不合格者の中で一部の科目で相当の成績を得たと認められる者は、
以後2年間申請により論文式試験の当該科目が免除
公認会計士論文式試験

試験合格後の流れ

試験合格後、公認会計士登録を行うためには、次の二つの要件を満たす必要があります。

業務補助等(2年以上)

公認会計士登録をするための要件の一つとして、試験合格後、公認会計士または監査法人を補助することや、財務に関する監査、分析等の実務従事を2年以上行う必要があります。

通常、論文式試験合格後に監査法人等に就職し、実務従事することで要件を満たす人が多いです。

実務補習・修了考査

同じく登録要件の一つです。

実務補習とは、会計教育研修機構が実施する実務講習を受け、必要な単位を取得していくことです。

通常、論文式試験合格後から3年間、監査法人等に勤めながら実務補習機関に通い講習を受けます。

規定単位を取得した方は「修了考査」を受験でき、それに合格すると実務補習を修了したことになります。

公認会計士試験おすすめの予備校

よく「公認会計士試験は独学では合格できない」と言われていますが、その点の疑問含め、私の友人である公認会計士Yさんの協力を得て、知り合いの公認会計士の方に「どのように公認会計士に合格したか」聞いてみました。

協力してくれた公認会計士さんは30代~40代で、Yさんを含め計7人です。

結果は以下のとおりです。

CPA2人(30代)
TAC2人(30代、40代)
大原1人(40代)
クレアール1人(30代)
独学1人(30代)
公認会計士試験予備校等利用者別

以下、それぞれの公認会計士の方のコメントをご紹介します。

CPA(Certified Public Accountant)

Tさん(30代女性)
在学時代に公認会計士資格を取ってしまおうと思い、CPAを利用した。同校は、公認会計士に特化した予備校として公認会計士を目指している同期の間では一番利用者が多かったので、自分も必然的にCPAを選んだ。近場に校舎がなかったのでWEB講座を利用し、課された課題をしっかりみっちりと一年間勉強したら一発で合格できたので、評判通りの良い予備校だったと思う。

Rさん(30代女性)
公認会計士に特化した予備校として有名だったので、予備校を利用するならここと決めていた。大学の同期の多くがCPAを利用しており、一緒に切磋琢磨しながら勉強できたので楽しかった。講師のみなさん皆熱意を持って教えてくれたので、こちらも頑張ろうという気になった。

CPAの公認会計士コースについての資料請求(無料)等については、以下CPAのHPからご参照ください↓

CPA

資格の学校TAC

友人Yさん(30代女性)
公認会計士になろうと志したのが大学3年前期と周りの同期の比べて遅く、でも在学中になんとしても一発合格したかった。TACは老舗で実績もあったし、集中的な講義と答練をがっつりやってくれると聞いたので、友達の勧めもあり選択。一年間、さまざまなことを我慢して、ひたすら公認会計士のことを考えTACに通い勉強しまくった。今思い出しても辛い一年間だったが、結果的に一発合格できたので、TACには感謝している。

Kさん
老舗ということで友人の勧めもありTACを利用。余計なことは考えず、TACが与える教材とカリキュラムに沿ってひたすら勉強したら受かった。何の疑いも持たずに勉強に専念できるという点で、実績&老舗の強みを感じた。

TACの公認会計士コースに関する資料請求(無料)等については、以下TACのHPからご参照ください↓

資格の学校TAC<公認会計士>各種コース開講

資格の大原

Oさん
住んでいるところの近くに大原の校舎があったので大原を選択。校舎がきれいで勉強には良い環境だった。答練の量が多くて辛かったが、その分知識が着実に付いていることを実感できたので、モチベーションを程よく維持しながら続けられた

大原の公認会計士コースに関する資料請求(無料)等については、以下大原のHPからご参照ください↓

資格の大原

クレアール

Hさん
「非常識合格法で無駄なく学習」という謳い文句を信じて利用。当時は民間企業に勤めながらの勉強で辛かったが、クレアールの教材はよく要点がまとまっていたので毎回記憶を定着&整理しながら勉強できたと思う。合格させてくれてありがとう!

クレアールの公認会計士コースについての資料請求(無料)等については、以下クレアールのHPからご参照ください↓

クレアール公認会計士講座
今、会計士受験業界で話題の「非常識合格法」で効率的に合格が目指せます。

(参考)独学

Iさん
大学一年時、公認会計士試験は予備校に通わないと受からないとある教授に言われて、なら逆に独学で受かってやろうと思い予備校は使わなかった。大学一年の時から勉強を始め、3回目の4年時に受かった。トライ&エラーを繰り返しながら勉強方法を決め、TACに通っていた同期の意見も聴きながらなんとか受かった。2回目の試験に落ちたときはさすがに落ち込み「予備校使おうかな・・・」とも思ったが、結果的に受かることができてよかった。

最後まで孤独に耐え自分の力で受かったIさんの精神力に感服します。

予備校別特徴・料金等

一年標準コースの料金

予備校料金
CPA554,000円
TAC720,000円
大原720,000円
クレアール520,000円

CPA、クレアールが50万円代に対し、老舗のTACと大原70万円代と少々高めの設定だが、講座回数や答練の数に差があるので、「ここが安くて、ここが高い」とは一概には言えない。

各校メリット・デメリット

予備校メリット・デメリット
CPA(メリット)
公認会計士合格者数No.1
・予備校自体が公認会計士試験に完全特化

(デメリット)
・規模感で言えばTACや大原には劣る
TAC(メリット)
・実績&老舗の安心感
・質と量共に申し分ない集中カリキュラム

(デメリット)
・CPAやクレアールと比べると高め
大原(メリット)
・実績&老舗の安心感
・質と量共に申し分ない集中カリキュラム

(デメリット)
・CPAやクレアールと比べると高め
クレアール(メリット)
・最安値の講座料金
・要点をついた効率的な対策を提供

(デメリット)
・CPAと比較すると実績面でやや劣る

「公認会計士試験対策」という点で、実績面、料金面でCPAに軍配があがる。ただ、最終的には、自分の置かれている生活面・仕事面での環境を考慮して、自分が最も勉強がしやすい方法を選ぶことが重要です。

  • この記事を書いた人

M

元外交官【経歴】語学留学から帰国後慌てて職探し ▶︎ 外務省入省 ▶︎ 本省→在外→本省→退職 ▶︎ 培った言語を活かして翻訳、言語教師 ▶︎ 2児の父 ● マルチリンガル(4言語) ● 公務員働き方改革を心から願う(国会待機消滅しろ)

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