私は高校2年生です。外交官を目指しています。外交官を目指すにあたり、おすすめの大学、勉強方法など、いろいろ教えてください。
知り合いの子からこんな質問を頂きましたので解説します。
本記事の内容
- 外交官の出身大学は?
- 外交官(公務員)を目指すなら大学で何をすべきか(1年生から試験勉強、ダメゼッタイ)
もくじ
外交官の出身大学や学部について
これは総合職を目指すか、専門職をめざすかによって変わってきます。
総合職を目指す場合
なるべくいい大学に入っておきましょう。
いい大学とは、国立大学上位、早慶あたりがいいです。
というのも、総合職試験はまだまだ学歴至上主義です。
試験の得点率が80%の無名大学の人と、75%の東大の人がいたら、まあおそらく東大の人が採用されます。
昔と比べたらそのような学歴至上主義はだいぶ和らいだのですが、それでも外務省の総合職はまだまだ有名大学の人で埋まっています。
もちろん試験で高得点を取れば、有名大学出身でなくても総合職として採用される可能性はありますが、学歴フィルターが未だ残っている現状、本気で総合職を目指すなら大学の名前で点数を稼ぐのも重要な手段の一つです。
高校のうちからしっかり勉強して、なるべく上位の大学に入りましょう。
専門職を目指す場合
ぶっちゃけ、どの大学でもいいです。
基本的に専門職の採用では、学歴フィルターはほぼないので、自分の頑張り(試験の得点)次第で合格できます。
私の後輩の中には、音楽大学出身の方もいました。
大学でやっておくべきこと
社会人の多くがこう思うものです。
「大学時代にもっと勉強しておけばよかった・・・」と。
大学生の4年間は本当に貴重で、無限の可能性を秘めています。
4年間あれば、なんでも勉強できますし、なんにでもなれます。
日本は非常に恵まれた環境ですから、自分の努力次第でどんな資格も取れますし、好きな職業になることができます。
日本人は恵まれた環境にいるんです。
これは海外勤務が長く、途上国の人達と一緒に仕事をしてきた私が身をもって感じたことです。
大学の4年間を大切にしてください。
ということで、大学生活にやっておくべき(やるべきでない)ことを以下並べてみました。
- 公務員試験の勉強は一年前からで十分
- 言語はしっかり学んでおく
- 誇れるぐらいの専門性を最低一つは身につける
- お金を稼ぐためだけにバイトをやるのはやめとけ
公務員試験の勉強は試験一年前からで十分
これ、「自分は公務員として働く!」と一年生のうちから息巻いている人が陥りがちなのですが、公務員を目指しているからといって大学一年生から試験勉強だけに特化した勉強は絶対辞めましょう。
公務員試験対策で学べる知識は、試験に受かるためだけの小手先のテクニックです。
試験合格後、実際に公務員として働きはじめて、その試験で得た知識を使うかと言ったら、ほとんど使う機会はありませんし、どんどん忘れていきます。
私は外交官試験に受かるために得た試験対策の知識は、霞ヶ関や在外公館で何一つ役に立たなかったですし、全部忘れました。
試験対策のためだけに得る知識は基本的に身につきませんし、専門性の会得にもつながりません。
公務員試験の対策は試験日の一年前ぐらいからで十分です。
大学に入ったら、まずは自分の興味のある分野を見つけ、それを誰にも負けないぐらいとことん勉強するほうがいいです。
自分が興味もって一生懸命取り組んだ学問や言語は、今後数年数十年経とうが忘れず身についているものですし、それは社会人になった後も必ず役に立つときが来ます。
ピチピチの大学一年生は、公務員を目指しているからといってそれに固執せず、まずは自分の興味のあるものを見つけて、それをとことん勉強することをおすすめします。
言語はしっかり学んでおく
どの大学でも英語の授業はあります。
また、英語以外の第二外国語の授業もあると思います。
今のグローバル化の波は本当にすごいものがあります。
外交官に限らず、仕事で英語を使う機会は急激に増えている一方で、英語で日常会話ができる日本人はまだまだ少ないです。
英語ができるというのは、日本では未だ大きなスキルになる、かつ仕事に直結するので、なるべく英語は大学生のうちにみっちり学んでおきましょう。
もちろん、外交官を目指す人は、英語だけでなく第二外国語もできれば、それがそのまま仕事に活きてきますので、自分の興味のある第二外国語を見つけて、英語と同様にみっちり勉強しておくといいと思います。
ただ、総合職試験を目指す人は、スワヒリ語やインドネシア語等のマイナー言語をやっても、外務省総合職に割り当てられる言語にはないので、注意してください。
※外交官と割り当て言語については、以下の関連記事もご覧ください。
誇れるぐらいの専門性を最低一つは身につける
「手に職を持つ」という言葉があります。
外務省で働くのなら、この「手に職を持つ」、つまり他の誰にも負けない自分の専門性を有しておくということが非常に重要です。
その専門性とは、原子力利用や国際法、軍縮といった分野であったり、ある特定の国の政治や経済の情勢については他の誰にも負けない知識を持っている、といったことです。
ちなみに英語やロシア語などの言語で専門性を見いだそうとするなら、誰にも負けない通訳能力等の非常に高いレベルに達しないと専門性とは言えないでしょう(単にしゃべれたり、翻訳ができる程度は専門性とは呼べないということ)。
以上のように、専門性を身につけるにはある程度の時間と努力が必要です。
大学は、将来「手に職を持つ」ための、最高の学びの場所と機会です。
大学生活、悔いなく過ごしましょう。
お金稼ぐためのバイトはやめとけ
大学生でバイトをしている方はたくさんいると思います。
私自身も居酒屋でバイトしていました。
バイトすることを否定はしません。
それが社会人になって活きてくる場合もあるからです。
でも、私個人の経験から述べると、ただお金を稼ぐためだけのバイト、例えば頭を全く使わない単純労働だったり、ルーティンの作業を延々とこなすようなバイトをするぐらいなら、勉学に励んだほうがいいです。
繰り返しになりますが、大学で過ごす時間は自分の将来を左右する本当に貴重な時間です。
自分が今やっているバイトは、「大学生」という限られた貴重な時間を費やす価値があるものなのか、その点をよく考えてほしいと思います
ちなみに私は居酒屋で働くよりも、もっと大学の講義や人脈、大学施設を利用して法律や語学をしっかりやっておけば良かったと、正直後悔しています。
あなたが高校生なら国家一般職もおすすめ
本記事のテーマから少しずれますが、この記事を読んでいるあなたがまだ大学に入る前だったら、進学だけでなく即就職という手段もあることを想起したいと思います。
特に、外務省入省枠の一つである、国家一般職(高卒)は、個人的に非常に有望な就職先と思っています。
あなたが、将来は言語を使って国際社会で広くスケールの大きい仕事をやりたいと思っている志高い高校生ならば、国家一般職(高校)のこともぜひ検討してみてください。
関連記事を以下に貼っておきます。
今回は以上となります。
学生生活は本当に貴重な時間です。
故に、あなたの将来に大きく左右する時間でもあるので、自分の大学生活について計画性を持って過ごしてくださいね。